レプリケーション

レプリケーションとは、「複製(レプリカ)を作る」という意味です。同じネットワーク内や遠隔地にサーバーを設置して、リアルタイムでデータをコピーする技術のことを指します。マスターのデータベースと全く同じ内容のデータベースを作成できるため、負荷分散やホットスタンバイに有効な手段として普及しています。万が一障害が起こっても、システムを停止させることなく継続でき、予備を遠隔地に置くことで広域災害時の対策としても有効です。その反面、予備にほぼ同じシステムが必要になるため、初期投資がかかるという欠点もあります。また、ウイルスなどに感染してデータが破壊されると、その破壊されたデータもそのままレプリケートされてしまうというリスクもあります。

■バックアップとの違い
バックアップは、ある時点(静止点)のファイルやアプリケーション、またはそれらを含むシステム全体を別の場所に保存することです。バックアップは静止点を記録する関係上、業務が動いていない夜間帯や、時期を設定して定期的に行われることが多く、用途やニーズに合わせて一定期間を保持します。バックアップでは、サーバーやストレージなど対象となるハードウェアとは別のバックアップ専用ハードウェアにデータをコピーするのが一般的です。

◇メリット比較◇
レプリケーション
・システム復旧までの時間を最小限にすることが可能
・バックアップで対応できない大容量でも、複製を置くことができる
 

バックアップ
・任意の時点を指定してシステム復旧できる
 

◇デメリット比較◇
レプリケーション
・任意の時点を指定したシステムを復旧できない
 

バックアップ
・最終バックアップ以降の更新データは復元不可
・バックアップのための作業負荷が継続的に発生する
・日単位でシステム停止を余儀なくされる場合がある